「レジリエンス」の要素
「ポジティブ心理学」では「レジリエンス」について研究が多くされています。
健康な人を扱う心理学がポジティブ心理学です。その健康な人を非健常者(メンタルの病などにかかっている人)にさせないために研究されています。
いま、欧米では企業や官公庁のメンタルヘルス教育の大半は「レジリエンス」教育といわれています。
「レジリエンス」を強化するには以下のようなことが大切です。
(8冊の本を読んだ中から、どの本でも取り上げていることを私なりに取りまとめたものです。すみません。ほとんどが英語の本です。)
自己効力感
自信です。多少の困難なことにぶちあっても自分は乗り越えられる、と思える自信です。これは、過去の逆境経験・失敗経験・そして、成功した経験から得られるものです。過去、チャレンジをたくさんした人は、多少の困難な状況になってもヘコタレません。「困難が来るとファイトがわく」といって楽しみながら、挑戦している人が多く見受けられます。「レジリエンス」の強い人です。
社会的能力
コミュニケーションや人間関係を作る力です。先日書いた「たこつぼ」に入っている人はこの力をつける場を自ら放棄しています。社会的能力(=人と一緒に何かができる力)は次のソーシャルサポートの力を作ります。
ソーシャルサポート
家族・親友・同僚などの力です。以前にチリの炭鉱で33人が埋められ、救出された話をブログに書きました。この33人はお互いに助け合いました。そして、家族からの暖かい手紙やニュースが、地下に閉じ込めらえた人々に力を与えました。ほかの人の力が、命を伸ばしたのは言うまでもないことでしょう。この、ひとの力が「レジリエンス」になります。自分の人脈ネットワークワークを広げておくことは自分を守ることでもあります。
認知の仕方
困難な状況を災難とみるか、自分がチャレンジできるいいチャンスとみるかの考え方の違いです。アメリカでもよく例に出される世界的な有名なことですが、危機という字は危(=危険)と機(=機会・チャンス)との合成語です。
逆境も後から考えると、自分自身を見つめさせてくれたり、自分の「強み」をわかるようにさせてくれたり、その時に出した知恵を後で使えるようになったり、多くの学習をもたらします。PTG(ポスト・トラウマ・グロース)(=トラウマ後の成長)といわれるものです。成瀬まゆみ翻訳「ハーバードの人生を変えるの授業」大和書房(P112参照)
「強み」の活用
「強みが活用できる分野は、学習が速く、自信があり、バイタリティに富み、ゴールを達成する確率が高く、高いパフォーマンスを達成する。そして、困難を乗り越える力が強い」と、イギリスのポジティブ心理学者であるアレックス・リンレイらが証明しています。
困難の状況をなるべく、自分の「強み」で戦える世界に引き込むことです。そして、自分が該当する「強み」を持っていなければ正々堂々と人からその「強み」を借りることです。(時には専門家の知識と経験を買うことです。)「強み」は困難を乗り越える大きな力です。
そのほかにも以下が「レジリエンス」を高める要因と言われています
楽観的な考え方
健康な心身
忍耐力
柔軟性
希望
自己統制力
「レジリエンス」をつけて、どんな困難やチャレンジが来ても乗り越えましょう。
我々の生活は困難の連続です。
むかしから、「かわいい子には旅をさせよ。」「苦労は買ってでもせよ。」と言われています。
その困難を、自分と切り離して、解決すべき問題ととらえると力が湧いてきます。